「火種」とは認識齟齬から生まれる開発リスク
プロダクト開発における「火種」とは何か。吉澤氏はこれを「なんらかのプロジェクトで、ある期限が決まっているものに対して、途中で認識の齟齬がメンバー間で発生してしまうこと」と定義する。
吉澤氏はエンジニアとしてキャリアをスタートし、2009年にヌーラボに入社。同社がサービス事業に注力する方針転換とともにプロダクトの立ち上げに携わり、徐々にプロダクトマネジメントに軸足を移してきた。2024年4月からは「Backlog」のプロダクトマネージャーとして、中長期戦略の策定からロードマップの実行まで幅広く担当している。

吉澤氏は、ヌーラボ入社以前に経験した火種の具体例として、開発チームが「これってやるんですか、やらないものだと思ってました」といった状況を挙げる。「それだったら設計を見直す必要がありますね」という事態に発展し、最悪の場合は途中まで開発していたものを一度止めて最初からやり直さなければならない。受託案件においても、「お客さまからいただいている案件の決められた予算、期限があるので、遅れてしまったら土日を返上してでもやらなきゃいけない」といった経験をしてきた。
現在、吉澤氏が関わるBacklogの開発チームは、課題管理、ガントチャート、ドキュメント、外部連携などと機能ごとに複数のチームに分かれている。これらの開発チームとの定期的な連携に加え、マーケティングチームとのリリース情報共有、カスタマーサポートチームとの不具合・要望の定期共有など、多種多様なチームとの協働が日常的に発生している。
