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ProductZine Dayの第4回。オフラインとしては2回目の開催です。

ProductZine Day 2025

ProductZine Day 2025

1人目プロダクトマネージャーの教科書 ~成長の立役者になるには~

プロダクトとチームをスケールさせるための仕組みづくり

1人目プロダクトマネージャーの教科書 ~成長の立役者になるには~ 第5回

5.3 スケールのためにやるべき3つのこと

 事業が成長し、スケールが必要になったとき、PMがまず着手すべきは以下の3つです。

1.仕組み化

 繰り返し起こる課題や判断をルール化することで、属人性を排除し、チームが安定的に動ける土台ができます。具体的には以下の行動が挙げられます。

  • 同じ問題を繰り返さないために、業務の仕組みを整える
  • 開発プロセス、意思決定の流れ、KPI管理などを標準化する

2.再現性の確立

 PMがすべてを抱えずとも、チームが自律的に動ければ、PM自身はより戦略的な課題に集中できます。具体的には以下の行動が挙げられます。

  • 自分がやらなくても回る仕組みを作る
  • PMが不在の日でも、開発チームや事業部メンバーが適切な判断を下せる状態を目指す

3.権限委譲

 すべてを自分でやろうとすると限界が来ます。他のメンバーに任せることで、チーム全体のケイパビリティが向上し、PMは「未来」に注力できます。具体的には以下の行動が挙げられます。

  • 他のメンバーに任せることで、成長の機会を提供する
  • 意思決定や実行責任を分散させて、自分のリソースを空ける

 スケールするためには、まずPM自身のリソースを空けることが最優先です。

5.4 「PMが依存されすぎないチーム」を目指す

 「再現性を作る」=「PMがいらない」ではありません。目指すのは、PMがボトルネックにならず、チームが自律して前に進める状態です。

 例えば仕様の細部を詰める判断や、ユーザーからのフィードバック対応、スプリント内のバックログアイテムの優先順位調整など、PMがいなくても動けるタスクを明示し、他メンバーが対応できるようにすることで、PMはより上位の抽象度の高いテーマに集中できます。

 また、組織というのは基本的に常に人が足りないものです。必要なリーダーを1人の完璧な後任に引き継ぐことは困難でも、複数人で分担することは可能です。

 つまり、「誰か1人に完全に任せきる」ではなく、「チーム全体で」プロダクトマネジメント機能を分担する発想が、スケールには欠かせません。

次のページ
5.5 権限委譲の対象はPMだけではない

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この記事の著者

蜂須賀 大貴(ハチスカ ヒロキ)

Newbee株式会社 代表 / プロダクトマネージャー IMAGICA Lab.でエンジニアとしてキャリアを開始後、複数企業でプロダクトマネジメントおよび開発組織の立ち上げに従事。サイカではHead of Productとしてプロダクト戦略をリードし、事業成長に貢献。PIVOTではプロダクトマ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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