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ProductZine Day 2024 Winter

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SaaSプロダクトの実例から学ぶプロダクトマネジメントの実践的な考え方

Time to Valueの高速化の方法論

SaaSプロダクトの実例から学ぶプロダクトマネジメントの実践的な考え方 第3回


 脱炭素・サステナビリティ経営のためのCO2排出量見える化SaaS「アスエネ」では「Time to Valueの高速化」に組織で取り組んでいます。前回の記事では、ドメイン知識の話をしました。今回は、具体的に「Time to Value」の高速化のための方法論をお伝えします。

Time to Valueとは

 Time to Value(TtV)は、顧客がプロダクトやサービスの価値に気づき、期待を満たす、または期待を超える実感を得るまでの「時間」に着目した考え方です。顧客が商品を購入したり利用したりした際に、「利用した価値があった」と気づくまでの時間のことなのですが、食料品であれば食べてすぐに「おいしい」と感じられるため、Time to Value(TtV)は数秒です。一方、サービスや長年使い続けていく商品などは価値があると感じるのに時間がかかる場合もあります。

 われわれのようなSaaSモデルではプロダクトを利用した後、次の支払いまでに価値を理解してもらう必要があります。次の支払いまでに価値を感じられないと、解約リスクが高まるのは周知のとおりだと思います。そのため、できるだけ早く商品の価値を理解してもらうことが重要になるのです。

 そう聞くとプレッシャーを感じてしまうこともあると思いますが、良い面もあります。良い点としては、プロダクトの利用時に顧客の期待値を超えた場合、SaaSでは継続的に利用する割合が高まったり、利用範囲を広げ、有料プランへの移行やアップセルをする可能性が高まります。LTV(ライフタイムバリュー)を最大化させるためにも、期待値を超えるようプロダクトを改善し、価値を感じるまでの時間を意識することで、より事業全体への効果が期待できることにつながります。

Time to Valueと期待値マップ
Time to Valueと期待値マップ

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シンプルであることが顧客により早く価値を感じさせる

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この記事の著者

渡瀬 丈弘(アスエネ株式会社)(ワタセ タケヒロ)

アスエネ株式会社 執行役員 CPO(Chief Product Officer)。2008年、ITコンサルタントとしてキャリアを開始し、社内初のSalesforce認定コンサルタント/認定ディベロッパーを取得。SaaS/クラウドの推進室立ち上げを行い、国家プロジェクトや国内大手企業のDXの推進。 2011年、リクルート入社。2013年に新規事業コンテストでグランプリを受賞し、受付管理SaaS Airウェイトを立ち上...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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