労働人口減少問題の解消のカギは、プロジェクトマネジメントにあり
株式会社マネジメントソリューションズは、2005年の創業以来、20年近くプロジェクトマネジメント(PMO)支援を中心に事業を展開してきた。業種を問わずITプロジェクトから新規事業の立ち上げ、組織改善など、幅広いプロジェクトでの顧客支援を実施している。そのミッションは「Managementの力で、社会のHappinessに貢献する」としており、顧客のプロジェクトの成功率を向上させることで、社会に寄与するという強い意志を持っている。
主力事業はプロジェクトマネジメント支援であるが、それを中心にデジタル事業やトレーニング事業の展開、そして海外展開も含めた多角化戦略をとっている。プロジェクトマネジメント/プログラムマネジメントの支援ソフトウェアである「PROEVER(プロエバー)」の開発・提供もその一角を担う事業となっている。「PROEVER事業部の組織はまだ発展途上で、社内ベンチャーのような雰囲気があります。自分で組織を築く意欲を持つ方を求めています」と語るのは株式会社マネジメントソリューションズ 執行役員兼PROEVER事業部長の船津龍太氏。PROEVERのプロダクトオーナーだ。
船津龍太氏
株式会社マネジメントソリューションズ 執行役員兼PROEVER事業部長。
PROEVERは、同社代表取締役社長兼CEOの高橋信也氏が日本のプロジェクトマネジメントの成熟度の低さに危機感を持ち、創業当初より開発を進めてきたプロダクトだ。その開発過程は数多くの試行錯誤があり、ここ数年でオムロンやトヨタコネクティッドなどの大手企業の採用も進んできたが、まだまだ成長段階にあるプロダクトである。
PROEVER提供の背景は労働人口の減少にある。プロジェクトマネージャーやチームリーダーは、生産性を高めるための環境作りが求められる。船津氏は「PROEVERはプロジェクトマネジメント業務を圧倒的に効率化、圧倒的に高度化していく。それによってプロジェクトの生産性向上を支援します」と語る。
顧客が自律的にプロジェクトマネジメントを行える環境を構築
PROEVERは、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)をベースにした機能を有しており、プロジェクト立ち上げから「スキル診断」「成功率予測」「リスク分析・管理」といったプロジェクトマネジメントに不可欠な要素を備える。
PROEVER事業全体をリードする木澤篤史氏は「PROEVERを使用すれば、マネジメント経験の乏しい方でも、プロジェクトマネジメントのイロハが学べるという教育ツールの側面があります。ツール導入の障壁を取り除いたり、より高度にご活用いただくために、コンサルティングサービスと共に提供することも多くあります」と語った。
木澤篤史氏
株式会社マネジメントソリューションズ PROEVER事業部 プロジェクトマネジメントアナリスト。
PROEVERの導入に際し、コンサルタントがフルタイムで関与していない企業も存在する。マネジメントソリューションズでは「PMO as a Service」として顧客が自律的にプロジェクトマネジメントを行える環境づくりをご支援するサービスを提供しはじめたからだ。このサービスにはプロジェクトマネジメントを学ぶ教育や労働集約型の業務のアウトソースが含まれ、その中核として機能するのがPROEVERだ。今後はこの「PMO as a Service」の利用を促進していく方針をとっている。
PROEVER導入のメリットの一つが、効率化だ。木澤氏は「プロジェクトの開始時には管理ルールを検討する必要があります。しかし、PROEVERにはそのルールがすでに組み込まれており、使用者はそれに従って進めるだけです。遅延やボトルネックの発見も容易です。従来の個別のスプレッドシートを使用するようなやり方ではデータ収集や集計の手間がかかっていましたが、PROEVERは1つのボタンを押すだけで、必要な情報を自動的に集計し可視化できます」と説明した。
従来のプロジェクト管理ツールは大手海外ベンダーなどから提供されていたが、それらのツールには満足できない点が存在しており、多くの企業が内製するケースが増えていた。独自の設定作業が必要だったためだ。しかしPROEVERは、プロジェクトマネジメント支援のノウハウを活かした最適な設定がデフォルトで組み込まれている。さらに、これまでのツールが個別のプロジェクトの管理を目的としていたのに対し、PROEVERはマネジメント層がプロジェクト全体を把握することを後押しできるという。
「経営、営業、人事など、企業の各種情報は特定のシステムで一元管理されていますが、企業の成長を牽引するプロジェクトの情報は散在しています。PROEVERのコンセプトは、この散在する情報を一元管理し、現場の情報をマネジメント層まで透明にすることにあります。また、プロジェクト情報がPROEVER上に蓄積されていくことにより、ノウハウや学びなどの組織の知の活用が促進されます。現時点でこのような機能を持つツールは他に存在しません」(木澤氏)
内製化を推進する、プロダクトマネージャー候補とテックリードを募集
PROEVERの開発体制としては、自社の内製化チームが1つ存在し、古くからの協力会社など外部の2社が参加している。当初はウォーターフォール開発で要件定義からリリースするまで半年かけて開発していたが、お客さまのニーズに迅速に応えるため、2022年からはアジャイル開発に移行した。開発チームは5チーム存在し、スプリントは1か月、一部のチームでは1週間や2週間のスプリントも実施している。また、アジャイルの導入や定着をサポートする専用部隊も存在する。
開発チームには、単に指示されたことを実行するのではなく、事業部の大きな方針に沿って、自ら考え、チームとして開発を進める能力を持ったメンバーが求められている。船津氏は「将来的にプロダクトオーナーとして活躍できる人材を求めています。現在のプロダクトチームは新設されたばかりですが、メンバー同士が互いに刺激し合い、成長できる環境を目指しています」と話した。
PROEVER事業部が募集中の職種は、プロダクトマネージャー(候補)とプロダクト開発リーダー(プロダクトリードエンジニア/テックリード)だ。現在、ユーザー体験の向上を目的とした多数のプロジェクトが進行中で、開発の効率化と品質の向上を目指している。
プロダクトマネージャーは、取締役やプロダクトオーナーとの連携、プロダクト戦略の策定、新機能の企画、事業のPL管理などを担う。求められるのはリーダーシップ、コミュニケーション力、問題解決能力、ITの理解と経験だ。プロダクト開発リーダーは新機能の企画、開発のリード、品質保証、メンバーのマネジメントなどを担う。求められるのはシステム開発の経験3年以上、メンバーマネジメントの経験である。
また、受託開発から自分自身でプロダクトを作ってみたいというチャレンジ精神や成長意欲のある方にもいい環境だ。いずれのポジションもスキルや経験以外に主体性、成長したいという意欲も求められる。
プロジェクトマネジメントのプロのもと、自由な裁量で事業成長に貢献できる
経験、スキル、意欲が求められる一方で、自ら計画して実行できる環境がある。木澤氏は「裁量を与えられ、非常にやりがいを感じます。他部署やお客さまの声を取り入れ、自分の判断で実現した取り組みが契約や認知の拡大につながっています。このような経験は他の会社では難しいのではないでしょうか」とコメントした。
SIerやITベンチャー企業などで26年のエンジニア経験を持ち、2023年6月に入社したばかりの平野誠氏は、PROEVER事業部のシニアエンジニアとして、開発チームの一員としてPROEVERの内製化を推進しながら、AIプロジェクトのインフラ構築を支援するなど、幅広く担当している。入社数か月ながら今回の人材採用の担当も任されている。
平野誠氏
株式会社マネジメントソリューションズ PROEVER事業部 プロジェクトマネジメントアナリスト。
これまでのIT業界での経験との違いについて平野氏は「私の経験上、営業か開発かのどちらかに偏り過ぎていて、プロジェクトマネジメント力が弱い傾向にありました。当社は文字通りマネジメントに秀でているので、裁量と責任がある業務を与えられても、適切なマネジメントがされているので安心して働くことができます。現在のマネジメントに対してフラストレーションを抱えている人や、アジャイル開発に興味・関心がある人にとっては面白みを感じられる場所ですね」と語った。
マネジメントソリューションズの集大成とも言えるPROEVER事業は、今まさに実績を重ねながら成長段階を迎えている。顧客ニーズに応えるために外部委託中心だった開発体制を改め、内製化へ舵を切った。
これからチームを強化していく想いについて木澤氏は「まだスタートしたばかりの組織ですが、主体的に仕事を進め、自らが提案し作り上げたプロダクトを運営することで、お客さまの効率向上やセールスにつながる成果を目指しています。そのような野心を持ったプロダクトマネージャー候補やエンジニアと一緒に仕事をすることで、チーム全体が活気を持ち、さらに成長していきたいと考えています」と語った。