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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

デブサミ2026の初日をProductZineとコラボで開催。

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

Developers Summit 2026 「Dev x PM Day」

イベントレポート

国産SaaSを牽引するトップリーダー3名が語る「これからのチーム」の正体──“仲良し”ではなく“共通のゴール”が熱狂を生む

「Nulab Conference 2025」イベントレポート

未来のチームは「境界」が溶けていく

 セッションの終盤、蜂須賀氏が「場所が変われば人の思考も変わる」と水を向けると、議論は「これからのチームのあり方」へと広がった。

 3氏が共通して語ったのは、「会社の内と外」「仕事とプライベート」といった境界線の融解である。

 青野氏は、「依存先を分散させること」の重要性を説く。

 「これからの時代、1つの会社、1つのチームだけに依存するのはリスクが高い。副業でも趣味のコミュニティでもいい。複数の『居場所(チーム)』を持つことで、精神的な自律が保たれ、結果として本業のチームにも良い影響を与えます」(青野氏)

 橋本氏もこれに呼応し、これからのキャリア論として「呼ばれる人になる」ことを挙げた。

 「会社という枠組みを超えて、プロジェクト単位で人が集まり、終われば解散する。映画の撮影チームのような働き方が増えていくでしょう。その時重要なのは、特定の肩書きではなく、『あいつと仕事をしたい』と呼ばれる存在であることです。そのためには、社内だけでなく社外に対してもオープンマインドでいることが大切です」(橋本氏)

結び:明日からプロダクトマネージャーができる「小さな一歩」

 国産SaaSを代表する3社のトップが語り合った40分。

 そこで語られた「よいチーム」の本質は、決して魔法のような新しい手法ではなかった。

  • 共通のゴール(目的)を明確にする
  • メンバーの組み合わせ(コンテキスト)を最適化する
  • 「質問責任」と「肯定ファースト」で、情報の流動性を高める
  • そして、変化(新陳代謝)を恐れない

 これらはすべて、プロダクトマネージャーが日々の開発現場で実践できることばかりだ。

 「チームがうまくいかない」と悩んだ時、まずはチームの中心にいる自分自身が、弱みを見せ、分からないことを「分からない」と問いかけることから始めてみてはどうだろうか。

 「石垣」のように凸凹なメンバーが、互いの強みを噛み合わせ、共通のゴールに向かって熱狂する。そんなチームを作れるのは、他ならぬあなた自身なのだから。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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