- 小田中氏の講演資料:「OKRはツリーではない」
- 発表したイベント:「Scrum Fest Mikawa 2022」
Googleも採用するプロジェクトの目標管理手法「OKR」
OKRとは、Objective(オブジェクティブ)とKey Result(キーリザルト)の略でプロジェクト構築における目標管理手法の一つだ。Oは達成したいことを示し、KRはOの達成を判断する指標。KRはチャレンジングな内容にすることが推奨され、頑張っても6、7割の達成度になるようなチャレンジングな値に設定することが良しとされている。OKRは会社組織として1つ構築し、社内のチームは会社のKRを自らのOに反映し、チームとしてのOKRを構築、個人はチームのKRを個々人のOに反映するという形で、ツリー構造のように会社組織の階層を構成できる。
はじめてOKRを導入したときは、ツリー構造に魅力を感じていた
株式会社ナビタイムジャパンの小田中育生氏は、初めてOKRに出会った時にこのツリー構造を見て「いいな」と思ったと語る。「会社、チーム、個人の目標がつながっていく。OKRはツリーでつなげましょうと言われていたのですが、実際うまく整理できていると思いました」と小田中氏は振り返った。
そこで2019年、小田中氏はまず自分の研究開発グループの業務にOKRを取り入れる。するとグループ全体の方向性のすり合わせがやりやすくなり、当初のもくろみだった「目標の整理」において手応えを感じる。グループで採用していた開発手法であるスクラムにもなじみがよく、小田中氏は、OKR-based Scrum Teamとして、この効能の講演をしたほどだ。
グループのメンバーも、今まで自分たちのやりたいことと組織の目標が乖離することがあり、最終的に自分たちの希望がかなわないといったもどかしさを感じていたが、OKRの導入で、そうしたことがなくなり良くなったという声が上がった。「マネージャーも現場で手を動かす人たちも、OKRやツリーに関して、良い感触を持ちました」と小田中氏はその効果を実感した。