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ProductZine Day&オンラインセミナーは、プロダクト開発にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「ProductZine(プロダクトジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々のプロダクト開発のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

ProductZine Dayの第3回。オフラインとしては初開催です。

ProductZine Day 2024 Summer

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プロダクト開発の先進事例に学ぶ、キーパーソンインタビュー

SmartHR松栄氏が考える、タレントマネジメントと「プロダクトマネージャーの育成」で大事にしていること


 クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供する株式会社SmartHR。2013年の設立から10年が経ち、従業員数は約1200名を超えた。2022年には、労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくりたいという想いから、「well-working」へとコーポレートミッションを改定。祖業である「SmartHR」の他にも、約20プロダクトを有する同社におけるプロダクトマネージャーの役割は、どのようなものなのか。また、どのように育成しているのか。株式会社SmartHR プロダクトマネジメント統括本部 タレントマネジメントプロダクト本部 本部長であり日本CPO協会理事の松栄友希氏に話を聞いた。

領域によって大きく異なるプロダクトマネージャーの仕事

──まずは松栄さんの経歴や現在の役割について、教えていただけますか。

 私は紙のデザイナーとしてキャリアをスタートさせた後、10年ほどマーケターとしても活動していました。プロダクトマネージャーを始めたのは、20代後半くらいからです。当時はディレクターと呼ばれていたのですが、転職ドメインの既存プロダクトをグロースさせたり、ECの新規事業を立ち上げたりしてきました。

 しかし、その頃になるとプロダクトマネージャーとしての成長に限界を感じるようになり、XTech(クロステック)グループのStartup Studioで、友人とともに起業することに。執行役員として、幅広く経営に携わってみたものの、やはり自分はプロダクトマネジメントが最もパフォーマンスを発揮できると気づき、シニアプロダクトマネージャーとしてSTORES株式会社に入社。そして2022年12月にSmartHRに来ました。

 SmartHRでは、いきなり役職を持った状態では入社していません。一メンバーとして現場で信頼を積み上げてから、チーフ、マネージャー、ダイレクター、VP、CxOと役職が上がっていく方が一般的です。なので私も入社時は一メンバーからスタートして、現在はタレントマネジメント領域のダイレクターとして、タレントマネジメント領域を管掌しています。

松栄友希(まつばえ・ゆき)氏

デザイナー、マーケターなど多様な職種を経てProduct Managerに。「転職ドラフト」やECなど様々なプロダクトの立ち上げ、グロースを担当。XTechグループで創業期からの会社立ち上げも経験。STORES株式会社を経て、2022年12月に株式会社SmartHR入社、2024年1月よりプロダクトマネジメント統括本部 タレントマネジメントプロダクト本部 本部長。日本CPO協会常任理事。

SmartHR プロダクトマネジメント統括本部 タレントマネジメントプロダクト本部 本部長 松栄友希氏

──プロダクトマネジメントの観点で、労務領域とタレントマネジメント領域では、どのような違いがあるのでしょうか。

 ひとことで言えば、「ゴールが見えやすいか/見えにくいか」の違いです。

 労務領域では、業界・業種や企業規模を問わず、やること(労務手続き)はだいたい同じなので、達成すべき明確なゴールが見えやすいです。その代わりに、複雑に絡み合う業務フローをていねいに解明して、多くの方がスムーズに業務を進められる状態を追求する難しさがあります。

 他方、タレントマネジメントは、100社あれば100様の考え方があるような領域であり、企業によってタレントマネジメントの定義が異なるため、絶対的なゴールがそもそもありません。そのため、タレントマネジメント領域では、「誰に向けて、何をつくるか」といった戦略が重要になりますし、タレントマネジメントに関する深いドメイン知識や思想が求められます。

──なるほど。SmartHRの組織として、労務とタレントマネジメント以外に、どんな領域に分かれているのですか。

 プロダクト基盤と新規事業開発のチームがあります。プロダクト基盤には私のようなダイレクター職のプロダクトマネージャーが配置されています。

──ダイレクターとは、事業部長のポジションに近いのでしょうか。

 SmartHRには「PM(プロダクトマネージャー)」と「PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)」がいて、P/Lの管理や売上予測を立てるような事業戦略の仕事はPMMが担当しています。他方、プロダクトビジョンを策定するとか開発のロードマップを引くといったプロダクト戦略策定に関わるところはPMが担っているので、PMとPMMのダイレクターが二人三脚で事業部長の役割を果たしているようなイメージです。

次のページ
SmartHRのプロダクトマネージャーの仕事とは

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

 フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。 1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテック...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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