進化し続ける「toitta」
視聴者から、次のような質問が寄せられた。「UXデザインの成果物として、カスタマージャーニーマップを作成することが多いです。KA法との使い分けをどのようにすべきか教えてください」。
これに対し羽山氏は、「ユーザー分析後の次のアクションとして、あなたが何をデザインしたいかによる」と回答。“時系列”になっている点や“タッチポイント”にフォーカスしている点がカスタマージャーニーマップの特徴だが、その一方、行動の背景にある心理や、常に存在し続ける感情などは可視化しづらいデメリットがあるという。
「人間の心理は、粒度も軸もバラバラで、矛盾しているもの。すばやく正解を見つけようと、整然とした枠組みに当てはめようとすると、正しく理解できません。混沌を混沌のまま理解する。近道しようとせず、地道に積み上げることが大切。ユーザーの心理の全体像や核となっているものを把握したうえで、それをプロダクトに落とし込みたいのなら、KA法が適しています」とアドバイスした。
最後に、米山氏からtoittaの近日中に大型アップデート予定の新機能「質疑自動分類(仮称)」が紹介された。この機能は任意の質問に対して、複数人のインタビュイーがどのように回答したのかを横断して一覧化できる機能だ。「誰が・どこで・Yes/Noと答えたのか」といったファクトを整頓して、差異や共通点を見いだすために活用できる。
「UXリサーチには探索的アプローチと検証的アプローチがあります。これまでのtoittaが『“Why”を発見する探索的アプローチ』であったのに対し、新機能で目指すのは『“What”を特定する検証的アプローチ』も支援できるようにすることです」(米山氏)
「私たち自身も日々toittaのユーザーにインタビューをし、KA法でユーザー心理の理解をしています。ユーザーの声には、『KA法をしっかりできるようになりたい』のと同じくらい、『ユーザーの語ったそのままの言葉を眺めることでユーザーをリアルに実感したい』というものがありました。まったく異なるアプローチに見えるようで、実は相互補完するものだと思っています。データを異なる調理法で料理して、どちらも食卓に並べるようなイメージ。今後、開発予定の機能が50件以上控えています。さらに継続的にデータの出力精度の改善を図っていく予定なので、ぜひご期待ください」と語り、米山氏は締めくくった。
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