リクルートでの事業開発の経験を活かすべく、医療分野に飛び込む
医師の原聖吾氏によって2015年に創業されたMICINは、テクノロジーの力で医療の可能性を広げている企業だ。事業としては、熊沢氏が所属するオンライン医療のほか、臨床開発デジタルソリューション、ソフトウェアによる病気の予防・治療、保険などを手掛けている。熊沢氏は、野村総研の金融テクノロジー部門で株式トレーディングのシステム開発運用に従事するなどしたのち、リクルートに入社。ホットペッパーのIT部門を経てR&D部門に異動。そこで複数の新規事業に携わり、自分で企画した事業の責任者となった。
当時の状況について熊沢氏は「最初は1人で始め、プロダクトマネージャーのような役割を担いながら、メンバーの規模も2人、50人、80人と拡大していきました。そして、リクルートで培った事業立ち上げ・運営の力を世の中の課題解決に活かしたいと思い、2019年7月にMICINに入社しました」と振り返る。
MICINには、熊沢氏が入社した当時からオンライン診療事業が展開されており、彼はそのプロダクト群の統括を担当するようになった。現在、オンライン医療事業部のプロダクトユニットは30名ほどで、そのおよそ3分の1がエンジニア、残りがプロダクトマネージャー、デザイナー、QAで構成されている。さらに、セールスやカスタマーサクセスのメンバーが所属するビジネスユニットも熊沢氏の管轄となっている。
オンライン医療事業のビジネスは、医療機関、薬局、患者が関わるBtoBtoCモデルだ。例えば、オンライン診療では医療機関で患者がオンライン診療を受けた後、医師が処方箋を送る。その後、薬局でオンライン服薬指導を受けて薬を受け取るという流れを提供している。プロダクト開発において熊沢氏は、ビジネスモデル自体の考案とそれに合致したプロダクト開発の大枠の方針を策定し、実際にプロダクトをデリバリーしてKPI目標、事業目標を達成することの責任を担っている。
「メンバーの得意領域により、テクノロジー、ビジネス、UXのどれに重点を置くかが異なります。それぞれの適性に応じて、エンジニア出身であれば詳細設計まで関わることもあるし、ビジネス的な商品設計を担当するメンバーもいます。得意な領域に応じて、例えばビジネスに強い人とテクノロジーに強い人を組み合わせるなどの調整をしています」